下手文章

あなたは幽霊を信じてますか。

これはそんなお話です。



幽霊はいます。
私達が幻覚を見ていなければ。これが夢でなければ。なぜ私達かと言うと彼もまた幽霊を見るからです。
彼は私にとって大事な人です。いつも私と一緒にいてくれる人です。
彼はいつも喫茶店にいます。いつもの席でいつものように勉強をしている。それが私達の日課でした。


「ごめん待った?」

「大丈夫だよ。何か飲む?」

「んーいいや。今日も勉強熱心だね」

「そんなことないよ。まだまだこんなんじゃ人は助けられない」

「ふーん」












「帰ろっか」

「うん」



いつもの道を二人で歩く。いつもと同じように。


ふと前を見ると人が歩いてきた。

「わっ」


彼の身体をその人はすり抜けていった。
吃驚した。私は今まで幽霊を見たことがなかった。こんなにはっきり視えるなんて…


「いっ今のなに!?」

「幽霊みたい、だね・・・・・」


彼はあまり吃驚していなかった。冷静な顔をして幽霊が行ったほうを見ていた。
いつも笑っている彼がこんな顔するの初めてみた。

「霊感あったんだね」

「・・・うん小さい頃からね。あんまり目を合わせないようにしてるんだけどやっぱり視ちゃうよね」


そう言って彼は微笑んだ。やっぱりそういう顔をしていたほうが似合う。


「それじゃ。また明日ね」

「うん・・・明日」






*************************



――カランカラン。


私はいつもの喫茶店に来た。
ちょっと早かったのか彼はまだきていない。
いつもの席へと私は腰掛けた。








「そういえば、マスター。いつも気になってたんですけどあの人ってなんなんですか?」

「あの人って・・・・?」

「あの人ですよ!いつも端の席に座って一人で喋ってる人!何なんですかあの人」

「ああ、あの人ね。いつも二人で来てた常連さんだったんだけどね。なんでも交通事故で亡くなったらしいよ。可哀相に・・・」

「それって・・・!」




――カランカラン。



え・・・・そんな。そんなはず。だって彼は昨日だって私と話してたんだから。
私は店を飛び出した。


早く。早く会わなきゃ。彼に。

でも、会ってどうする?

貴方はもう死んでるって言うことなんで出来ない。

私は――。私は――。







「あっ」

「おはよう。・・・じゃないか、こんにちはだね」


彼はいつものように笑っていた。
私は急に泣きたくなった。

「あのね。話しがあるんだ」

「・・・・・うん」

「私はあなたが好き」

「・・・・うん。僕も好きだよ」

「・・・・だからね。あなたには幸せになってもらいたいの・・・だから」






「お別れ、しよう」





「・・・・どうして?」



「聞いちゃったの・・・・。事故があったって」



「・・・・そっか。・・・今までありがとう」




「ごめんね。成仏できなくて・・・・」



「君のせいじゃないよ。僕も悪かったんだ。ごめん」



「それじゃあ、バイバイ」



「バイバイ」





*********************





その後、彼とは一度も会っていません。
彼は幸せになれたのでしょうか。
彼には幸せになって欲しい。










私は、まだ幸せになれそうもありません。






私は、まだ






あの場所で―――――――――――――――――――――――――――――。

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